Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Friday, December 03, 2004

my generation

僕が勤めている会社にはこの世界で飯を喰う様々な人が(各々の仕事で)やってきます。その中には、僕がまだ20歳代だったころ一緒に仕事をした同世代の連中も多くいて、彼ら彼女らのなかには、いまやこの世界で成功しとても有名になっていたり、すごい稼いでいる奴もいます。そんな彼ら彼女らが来ると挨拶にいき、昔話に花を咲かせるのですが、僕が立ち去ったあと、担当しているうちの若手に「Niijimaさん円くなったね」なんて言っているらしい。昔の僕ってどんなんだったのだろう?
僕はあるプロフェッショナルと呼ばれる仕事に従事していたのですが、20歳代、とくにその前半は早く一人前になりたい一身で我武者羅に自分の選んだ道を突き進んでいた気がします。しかし仕事漬けの毎日は学生時代の友人との交流が全くなくなったりと、その過程では失ったものも多くありました。ストレスのはけ口は酒でした。ひどいときは明け方4時に仕事を終え、朝8時まで営業している居酒屋へ行き、たらふく飲み食いをして、山手線1周しながら(車内で)睡眠をとり、朝10時に酒臭い体のまま出社するなんてこともしていました。まあ若いからできたんですけどね。

そのころは今の勤め先の関連会社に所属していたのですが、社の先輩Nさんとは、毎日のようにそんなふうに連れ立って飲み歩いていました。
その後僕はフリーランスの時期を経て現在の社に入りました。Nさんは当時売れっ子だった同業者の事務所に籍を置いたことで、2人で明け方の新宿をふらふらになりながら歩くこともなくなり、それぞれの仕事場でそれぞれの道を歩むことになりました。

今日、僕がそのNさんとともに働いていた会社の(Nさんよりさらに上の)先輩から電話があり、おまえNとよく釣るんでいたよな、その後も付き合いがあるのか?と訊いてきました。5、6年ほど前にはときどきうちの社にも仕事で来ていましたが、Nさんが所属していた事務所が解散になったあとは、とんとご無沙汰です、と答える。すると、実はオレ、Nとは毎年賀状だけのやりとりをしていたんだけど、先日Nの奥さんから喪中の葉書がきてさぁ、どうやらN、死んじまったみたいなんだよ。今年の5月だって書いてあった。それで何か知らないかと思って電話したんだけどね。おまえも知らないのかぁ...
びっくりした。まあそこそこ人生を歩んでくれば、こういうこともあるのだろう。しかしNさんがかぁ? 体でも崩したのだろうか?
前の社の先輩からの電話を切った後、今日は当時の同僚、先輩から3件ほど「知ってた?」という電話が入った。ある時代をともにした仲間の死は、誰にとっても謎であり、唐突であった。今日は忙しく働いていたので仕事中はあまり実感がなかったのだが、今こうやって書きながら、ときおりキーボードを叩いている手を休めると、ビール・ジョッキを持ちながら少しニヒルに笑うNさんの顔がちらつく。どうか安らかに。ご冥福お祈りいたします。

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