Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Monday, March 28, 2005

Karl Bohm

さらに昨日の続き。
カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルの演奏によるブラームス、第1交響曲の音源を手に入れたと書きましたが、このベームという指揮者は僕にとって思い入れの深い人です。
カール・ベーム(1894-1981)。没年が81年ということで、その最晩年しかリアルタイムに触れることができませんでしたし、実際コンサートホールにて生の演奏を聴いた経験もありません。
確か死の前年か前々年の79年か80年に自らが音楽監督を務めるウィーン・フィルを率いて来日しています。最後の来日ということです。その映像を(おそらくNHKで)見ているのですが、この老大家ベームは椅子に座った状態で指揮をしていました。そんなよぼよぼのお爺ちゃんがオーケストラを率いて指揮をするなんて! と驚いたことがあり、そのとき以来、カール・ベームの名は特別なものになりました。(なにせ中学生ごろのことなので、音楽的なことはそっちのけです)
その後、どこかの演奏会でのベートーヴェン第9交響曲(いわゆる合唱付)をベーム指揮の演奏で聴き、オーケストラと合唱が組み合わさったパワーに惚れ、似たような交響曲は他にないものかと探し、マーラーに出会った経緯もあるほど(マーラーの世界観はベートーヴェンと全く違い、失望したと同時に、新しい世界との出会いでもありました。実際20歳前後のころはマーラーにハマリまくりでしたからね。)、僕のクラシック音楽趣味の戸口に立つ楽曲、演奏となったわけです。

ベームは古典からロマン派音楽を中心に指揮をし、モーツァルトの演奏には定評があると同時に、最後のロマン派(後期ロマン派)作曲家であるリヒャルト・シュトラウス(一般的には映画2001年宇宙の旅で有名な「ツァラトストラはかく語りき」が最もなじみのある楽曲かな、といっても導入部だけ)と親交があり、Rシュトラウスのオペラなどもしきりに演奏していました。
高圧的で楽団員にもっとも厳しい指揮者としても有名で、その地獄のリハーサルを通ってきた音楽は作曲者の意図を完全に描出するがごとく厳格な雰囲気を持った演奏になります。まあ好みによっては色気がないとか、無骨で退屈などという悪評もありました。
僕自身は、例えば交響曲では、主題の提示、展開、再現といったソナタ形式の構成をしっかりと浮き出してくれる明確な演奏をされるので、とても解りやすく、とくに再現部に入るところの明確さは「待ってました」の感動を迎えることができ、スコアを追いながら鑑賞していると、曲の細部まで見せてくれるところが気に入っています。というか大好きです。

ベームの再現部突入の際の美しさの代表として、「シューベルトの交響曲第9番」を挙げておきます。
またピアノ協奏曲では、これまた20世紀ドイツ・ピアノ最大の巨匠ウィルヘルム・バックハウスと共演した「ブラームス・ピアノ協奏曲2番 と モーツァルト・ピアノ協奏曲27番」が素晴らしいです。
個人的にはウィーン・フィルとのレコーディング・テイク「ブラームス交響曲全集」を買い、再度ベームの魅力を掘り下げてみようかな。

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