Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Monday, November 14, 2005

split grade printing method

最近週末は遅くまで起きていられません。土曜日、娘と公園に行き3時間ほど(全然帰ろうとしない)付き合ったら、へとへとになってしまい、娘と一緒に10時には寝てしまいました。
おかげで日曜午前10時にレンタル暗室へ行く準備をなにもしていませんでしたので、朝バタバタとネガをかばんに放り込む始末。
さて、今回の暗室ではいつもお世話になっているtokyo-photo.netさんに紹介された「スプリットグレードプリント法」を試すというテーマで作業を行うことにしていました。
この日の午前中は他の使用者がおらず、ワンマン貸切状態。好きな引伸機を使っていいですよと言われました。オメガ、ダーストなど魅力的なマシンが並んでいますが、特別なものでないところから、どのくらいのものができるのか?ということでフジの690を選択。といっても690の支柱なんかしっかりとしているし、とてもいい引伸機だと思います。現像液はデクトール。これもごくごく普通(笑)
さて、まずはライブフォトから。僕が撮影しているのは暗く、そして被写体には強いスポットライトがあたる極端なコントラストが強いられるジャズ・ライブハウス。それでも被写体のアーティストは柔らかく、そして暗部は黒く黒く締めたいところです。
「スプリットグレードプリント法」は多階調用のフィルターを用い、最軟調の00号と最硬調の5号のみで印画をおこなうテクニックなのですが、00号で行うハイライト部の印画にたいへん興味を持っておりました。なにせいつも苦労する被写体のハイライトですからね。また5号で黒を出すという点もライブハウスの雰囲気を伝えるために重要なポイントかもしれません。例えば常套的に用いられる部分焼きこみなどでこういった5号フィルターを用いることがあるのですが、全体にわたって使用するのはなかなか勇気がいるのではないでしょうか(笑)
詳しくは後日darkroomページにもレポートを載せるつもりですが、まずはそのライブ写真。
5号フィルターで最大濃度に達する最短時間を求めます。今回引伸ばしレンズの絞りをガーンと最大まで絞ったので8X10印画紙への拡大率で30秒。00号でハイライトから中間調に着目して程よい露光時間は29秒と出ました。まずその00号で29秒露光。(この段で現像定着してみますと、中間調までの印画はきれいですが、全然黒が出ていない状態です。)次にフィルターを5号に替え(もちろん00号で露光したすぐ後に)、00号で用いた29秒の2割に相当する5.8秒を最大濃度を出す最短時間30秒から減じ、24.2秒露光します。結果は、いやあ(自分で言っちゃうけど)お見事です。プレフラッシュも必要かなと思い、その時間も計測していましたが、プレフラッシュなしで充分いけます。
ハイライト部の柔らかさ、これはずうっと求めていたものです。そこに締まった黒が乗っかって...マイクスタンドなどのスティール製品はキラっとしていますし、なかなかシャープです。
ちなみにこのネガはcanon pにDELTA3200を詰めEI3200で撮影しています。ピアニストを横から撮ったこの画、50mmレンズですので、ピアノボディの横半分くらいまでがフレームに入っています。すなわち僕の撮るライブ写真の中では、アーティストがかなり小さく写っているほうです。いままでこういう画ではアーティストの身体上の粒子が(ハイライト部はとくに粗れるので)気になり、あまり撮らなかった構図です。しかしこの手法があればこういった構図も手の内に入った気がします。でも2重像合致のレンジファインダー機は暗いライブハウスで動く被写体を捉えるのには充分気をつけなければいけません。深度を浅くしているのでピントを外す可能性が大きくなりますからね。シャッター音が小さいのは嬉しいんですけどね。

さて気を良くした僕は、次にストリート・スナップのプリントにもこの「スプリットグレードプリント法」で挑みます。まずは春に横浜の地下で撮ったもの。うん、なかなかシャープ。と思ったのですが帰宅してから、もう少し全体的に濃くしたいなと思い、これは未完成ということに。
以前同じ地下でDELTA3200をEI1250で撮っているのですが、今回のネガはこの地下で撮るつもりがなく地上でHP5+をEI200で撮ろうと思っていたのです。しかしその場所、うわっ画になる!と思い、人がやってくるのを待って手持ちぎりぎりのシャッタースピードで切ったと記憶しています。それにしてはシャープなので、次回リベンジ・プリントに挑むつもり。
因みにHP5+をEI200でX-TOL(1:1)の現像のネガです。

もう1カット、ストリートものを同じ手法で焼きました。この画は明部と暗部の対比が重要で、全体的にはスッキリとスマートに描きたいところ。これはネオパン400(@EI200 X-TOL 1:1)ですので、また素ヌケ・コマから最大濃度の時間を計測。00号で気持ちよい明部が得られるよう露光、5号で先の最大濃度最短時間から00号の露光の2割相当を減じて5号で黒を乗せる。
しかし思ったほどネガの暗部が暗部でなく、しかも汚い。粒子がどうのではなく、被写体そのものが汚い。明部は柔らかいコントラストでとてもきれいな画になったのですが、この暗部をどうするか? もっと黒く塗りつぶして汚い感じを取っ払って、さらに明部との対比をつけたくなりましたが、時間も午後2時に迫っており、その後予定があったので、今回はこれも未完成。
結局4時間で1枚の完成、2枚の未完成というセッションでした。
「スプリットグレードプリント法」、もっと経験して5号の露光とかを研究してみたいところです。

Comments:
ども
柔らかいハイライトと締まったシャドウのようにトーンを分割して作ろうとすると、スプリットグレードはいいアプローチかも知れませんね。プレフラッシングに続いてライブフォトにもお役立ちでしたら幸い。紹介した甲斐があります。
しかし、暗室テクもだんだんご紹介できるネタが無くなってきたなぁ(笑)。Niijimaさんは進歩が早いんだもん。
手持ちのネタでは、ライブフォト向けに限りませんが、先日お見せした拙作のステージフォト(というよりポートレートに近かったですが)で使っていた印画紙の染色現像と、あとはフィルムの静止現像くらいかしらん。
近々、最近ボクがやっている夜景がらみで(久しぶりに)2浴をやろうと思ってますが、これは感度が出ないのでライブフォトには向かないんだよねぇ。

今回のプリント、見せてね。
 
いやいや、いつも貴重な暗室テクを紹介していただき感謝感謝です。
プレフラッシュも、今回のスプリットグレードもライブフォトには持って来いです。
そうですね、印画紙の染色現像は是非やってみたいですね。静止現像、これもpyrocatがいいのかしらね。ああ、いろいろと「やってみたいリスト」が長くなっていきます(^^;

もちろん今回のプリントは次回お会いするときに持っていきますね。その前にレポート作成しようと思っているのでそこでWEB画像としては公開したいと(今肖像使用のお願い中)思ってます。
いつもホントありがとうございます。
 


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