Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Sunday, July 31, 2005

an encounter

最近はヘビーローテーションしているCDが多いです。6月22日リリース、白崎彩子さんの2ndアルバム「Musically Yours」。そして7月21日リリース、村上ゆきさんのこれまた待望の2ndアルバム「While My Piano Gently Weeps」。ニューヨーク在住の白崎さんによる旬な現地感覚をもったストレイト・アヘッドなジャズ。そしてジャズとかロックとか、ポップスという垣根を飛び越え無垢な音楽、うた、そのものを表現している村上さんと、まったく異なったスタイルの音楽ですが、どちらも強く僕の心に染み入ってきます。
そしてこの両者とともに、もう1枚、ここ数ヶ月聴きまくっているCDがあります。
今年4月1日、鈴木奈緒さんというピアニストのライブに初めてお邪魔し、そして購入した彼女の自主制作による1stアルバム「suite luz」がそれです。彼女は高校の後輩で実に20年以上経っての再会だったのですが、後輩と呼ぶには失礼にあたるほど素敵なアーティストになっており、彼女の音楽に対する真摯な取り組みは敬意を表するに値すると思っています。
4月のライブはピアノ・トリオで行われ、ポップスやスタンダードの曲も含み、ジャズの伝統的な方向性によって組み立てられた演奏を核として進行していきましたが、その日の帰りの電車の中で早速パッケージを開け聴き始めたCD「suite luz」では、もっとコンテンポラリーな音楽が展開されていました。そしてたった先程ライブで体験した音楽と、そのCDから再生される音楽。その幅の広さに驚かされると同時に、その表現された世界がどんどんと僕の中に入り込んできました。
長い年月を経た再会は、時の偶然、だったのでしょう。そしてそれはたいへん嬉しい瞬間でもありました。しかし彼女のプロの音楽家という面に対しては(僕もプロの制作者という立場で)完全にニュートラルな気持ちで接したのですが、すなわち再会という事実からくる感情を抜きにして聴いたにも拘わらず、こんなにも僕の音楽の趣向にマッチし、そして大きな影響力をもって入り込んでくるなんて想像もしておりませんでしたので、自分自身、正直驚いています。
その「suite luz」は、このアルバムのために彼女自身がポルトガルで撮影した雰囲気のある写真に囲まれ、そのヨーロッパの古い街に降り注ぐ陽光と、それに寄り添う陰が、日がな一日、時間の経過とともに移ろいゆく様を表したかのような、和音の推移と旋律の交わり、そして時の普遍性とパトスが心地よいリズムに支えらた素晴らしいアルバムなのです。

先週の木曜28日にはそんな素晴らしい音楽を奏でる彼女のライブに再びお邪魔してきました。
前回と同じ渋谷の「公園通りクラシックス」。4月には少し緊張しながら訪れたのですが、今回はずいぶんリラックスしての入店です。最初のステージはピアノ・ソロによる演奏。ソロとは、その言葉どおり、アンサンブルによる支えを持っていない音楽のため、一人きりで全てを表現しなくてはならず、音楽家にとって最も難しく、集中を切らすことが許されないスタイルです。MCで大好きと語っていたハービー・ハンコックの「Dolphin Dance」で幕を開けたステージ。彼女の緊張と集中が伝わってきます。この1stステージをどのくらいのペースで駆けていくのか、もちろんこちらは判らずに聴いていたのですが、どうやら1曲1曲を6、7分くらいにまとめていくようです。ジャズとしては思ったよりコンパクトかな? しかしこのようにまとめあげるのは、やるべきことと、省略すべきことを、きちんと整理し、曲そのものを消化していないと為し得ないことだと思います。全6曲演奏したこのソロによるステージでは、もっともスインギーであった「Basin Street Blues」。そして彼女のオリジナル曲、限定販売された2ndアルバム(このアルバム既に限定数を販売しきってるのですが、彼女のご好意でそのサンプル盤を頂戴していました。「suite luz」とはまた違った方向性で、尺八奏者と二胡/ヴァイオリン奏者とのライブを収録し、聴き応えのある内容。特に彼女のオリジナル曲が素晴らしいです。)に収録されていた「Dear, Someday-そして いつの日か」の演奏がよかったです。
2ndステージはトリオでの演奏。ドラム、ベースともに4月と同じメンバー。実は4月のライブでは現場のサウンドに難があり、そのことを指摘していたのですが、今回はきちんと修正されており、とても聴きやすいアンサンブル・サウンドになっていました。ここでも彼女のオリジナル、前回のライブで聴いた「NY」、そして新曲「夕なぎ」(でしたっけ?)の演奏に引き寄せられます。ああ、僕の感覚は彼女が書く音楽にとことん反応するのだなぁ。とても不思議です。
実は5月ごろ、前回のライブを収録した音源をオーディオCDのデータ化するマスタリングという作業を僕の手でお手伝いしたのですが、その際に繰り返し聴いた演奏の中で「NY」はニューヨークに訪れた彼女が、そのストレンジャーな視線で捕らえた印象を曲にしたもので、ほんといい曲だなぁって思っていたので、今回のライブでも聴けたことは実にラッキーでした。
また新曲では、演奏そのものはピアノ・トリオによる伝統的な方向であるにも拘わらず、曲のコード感やフレージングに、どことなく1stアルバム「suite luz」に存在した音楽的陰影を感じたことが、その曲に引き寄せられた原因ではないかと思います。
この日は少しだけ撮影をさせてもらいました。canon pの50mmと、newFM2の85mmで狙ってみました。DELTA3200をマイクロフェンでcanonをEI3200、FM2をEI2400となる現像をしてみました。販売終了となった市販のマイクロフェンで行う最後の現像かもしれません。(まだ500ml残っていますが、それはポスト・マイクロフェンのためのテストピースを作成するために使う予定です。)
彼女との再会は、同時に、音楽家鈴木奈緒さんとの新しい出会いでもあったのですが、それはとても幸運で素敵な出会いであったと思う今日このごろなのであります。

Sunday, July 24, 2005

vivid works and dull landscape

週末、土曜日は関東地方で大きな地震がありました。うちは家族で近所へ車で買い物に行く途中でした。信号待ちで止まっていたとき、車が揺れたので、地震かねぇ?なんて呑気に話していました。スーパーの駐車場でも2回ほど揺れたので、これまた余震だねぇ、なんて調子。
帰宅すると、うちと家内の両実家から大丈夫かと安否を尋ねる電話が、その段になってようやく震度の大きな地震であったことを理解。まあ呑気でいられたのが幸いでした。

日曜はその地震の影響も不安も感じないまま高層ビルである六本木ヒルズへ。今日の僕のフォトブログの写真も、当地のタワーを写したものですが、これは5月に撮ったものです。
昨日はそのタワーの展望階にある美術館へフィリップス・コレクションを観にいってきました。ところが美術館内に入ってすぐ、娘の機嫌が悪くなり「早く帰ろうよぉ」攻撃が始まりました。印象派からキュビズムに渡るコレクションなので、かなり充実した内容なのですが、全て足早に通過するだけの鑑賞となりました。今春の近代美術館でのゴッホ展、文化村のベルギー象徴派展など見逃していたので、久々に絵をゆっくり見れると思ったのですが甘かった! しかし足早ではありますが、多くの巨匠の作品を一時に目の中に入れていくと、この時代の作品群のなかで僕はモネの色彩と柔らかな光の世界が好きだなぁと、あらためて感じました。またゴッホの色彩と繊細なラインが今まで感じたことがないくらい印象に残っています。春のゴッホ展、行っておけばよかったなぁと後悔。
その後、人気のある展望フロアへ。あはは、うちの娘はかなりのビビリーでした。窓際は怖いようです。この日はときどき小雨が落ちてきたり、少しだけ雲の切れ間が見えたりという天気。このタワーから見る東京の俯瞰も遠景は白い靄で視界が悪い。しかしそんな中、熱心に景色を見入るカップルや外国人観光客の姿を少しだけ撮ってみました。

Tuesday, July 19, 2005

portrait in a studio

18日祝日は夏らしい太陽が顔を出し、久々のこの陽光にカメラを持って出歩きたい気持ちでした。が、この日は全く違う撮影を...主役は娘です。今秋の七五三を前にポートレートを写真館で撮ってもらいました。
近所のショッピングセンター内にある、子供専門の写真館。10月や11月になると混み合うので一足早く撮ってしまうキャンペーンがあり、そのセット料金の安さが魅力でしたので申し込んでいました。まあ早割りみたいなものですかねぇ。で、その写真館、大阪に本社を持つようなのですが、直営、FC店併せると300店舗も全国展開しています。これをお読みのみなさんの町にも、もしかすると店舗があるかもしれませんね。因みにスタジオ・アリスというところです。

コースとして5ポーズ。家族写真1に、和装2、洋装2ポーズ。衣装はお店にある貸衣装、どれでも好きなものを選べるシステム。そしてヘアメイクしてもらい(あ、親は全て自前です。)3万5千円。
はじめてちゃんとヘアメイクをしてもらった娘は、なんとまぁ可愛いのでしょう! 親バカ大爆発です。
ところでここは撮影した全カットをTVモニターで確認し、自分たちでカットを選べるというのが売りのようでしたので、ということはデジタルで撮るのかぁ、安さはそのせいかな? と思っていたのです。が!しかしカメラはマミヤRB67。ちゃんと120フィルムをマガジンにセットしているではありませんか。「ああ、ちゃんとネガで撮ってくれるんだぁ。」 ところでモニター用にはマミヤのレンズのすぐ上にビデオ用レンズが装着されており、通常動画がスタジオ内のモニターに映し出されています。そしてマミヤのシャッターを切るとそれに同期して静止画をキャプチャーし、その静止画はMOに記録しているようなのです。

写真選びは食事を挟んでから。ご自慢のモニターシステムで全カットをチェックさせてもらい5ポーズ決めていきました。子供相手ということもあってか、ここのスタッフは全て女性でした。撮影を担当されているかたは(当日)お一人のようでしたが、どうも子供を笑わせたがるんです。もちろん笑顔のカットを撮りたいというところでしょうが、うちの娘は単純なので簡単に本気笑いするので、タレ目の細目になってしまったカットが多かったのが、ちょっと不満足。そして両方のじじばば用に六つ切り+台紙の焼き増しもオーダーしてきました(これは別途有料)。なおカビネ+スタンド額を無料で付けてくれるそうです。
ところで帰宅後この写真館から電話があり、何事かと思ったのですが、このキャンペーンに付帯するサービスをもうひとつ説明し忘れていましたとのこと。(まだサービスあるのか!)なんと選んだポーズの中から1点、半切に伸ばしてプレゼントしてくれるとのことです。ええ、半切! とびっくり。しかし大きすぎるなぁ。じじばば用には別に焼きをオーダーしたし...そこで洋装の立ちポーズを半切ではなく4つ切にしていただくことで交渉成立。
プリントがあがってきたらスキャンして、このページに載せちゃおうかなぁ?

Wednesday, July 13, 2005

retrial

内面反射軽減処置を施したzorki4の試写をしてみました。前回同様、光が回りきった曇天の日の試写でしたが、画面全体がぼんやりしてしまうことはなくなりクリアなネガを得ることができました。
そして視界がくっきりしたネガを見ると画面四隅の甘さが気になるカットがあるので、もう少しテストしてみようと思っています。
ところで以前のオーナーはどうしていたんだろう...全然ダメだぁっていって手放したのかな?

さて、昨夜現像したことで保存していたX-TOLが底を突きました。なくなりそうなことは当然前からわかっていたので11日月曜にヨドバシに行った際に買っておくつもりでいたのです。ところがイルフォードの印画紙、一部ラインナップの製造中止ニュースに動揺してか、フィルムだけ買って薬品買うのを忘れてしまった!
で昨夜、暗室用品を入れている箱をごそごそしているとID-11とPerceptolが1パッケージづつ出てきました。久々にID-11を溶いてみようかな。
そしてPerceptolがあるのかぁ。梅雨が明けたらDELTA3200を詰めて手持ち夜スナップに出掛けようかな。街の中ならEI1250で撮れるから、Canon Pに詰めてみよう。うだるような熱帯夜の街の姿を写せたらいいなぁ。と、その前にCanon Pも古いカメラなのでモルトプレーンを交換しておこう。

(image: by zorki4, 400PREST @EI200, Dev in X-TOL(1+1), 6min @24C.)

Monday, July 11, 2005

Information on July 11th, 05.

本日、当サイトのdarkroomに、拙文「シンプル現像/イルフォード方式のススメ」をUPしました。
これから自宅で現像を始めようとされる方々には参考になるかな? 少しでもお役立てできたらいいなと思っております。

Sunday, July 10, 2005

The improvement of the internal reflection

先日ゲットしたzorki4は、使えないカメラでありました。なんてったってフレアしまくりなのです。直射光をフレーム内にいれるどころか、薄曇りの日に撮影したにもかかわらず、絞って撮ったカットもぼんやり。ソ連カメラはカメラの内面反射処理が甘いので、その対策をしなければならない旨は知っていました。が、レンズを外すとそこそこ艶消しブラックのパーツで囲われていたため、そのままフィルム1本をテスト撮影してみたのです。しかし結果は前述のとおりダメダメでしたね。
そこで反射対策を施すため、またその他の部分も調整、補修することにしました。
まず植毛紙とモルトプレーンを(有)ホライズンエンタープライズさんより購入。ここの補修材は安いです。
モルトプレーンはもちろんカメラ本体と裏蓋との合わせ目の遮光用。もともと黒毛糸が使ってありましたが、パリパリになっていたので剥がしてモルトプレーンに交換。また遮光処理がされていなかった接合部にも今回新たに貼ってやります。
そしてシャッター幕前部分のボックス内全面に植毛紙を貼り付け、内部反射軽減処理を施します。今回購入したモルト、植毛紙ともに裏面には糊が付いており、裏紙を剥がすだけで簡単に貼ることができます。植毛紙に関しては糊の粘着性が強くないため、複雑なカメラ内部にアクセスしてきれいに貼るということがたいへんやり易い、グッドな商品でした。
さらにはレンズの後部、鏡胴の断面もピカピカの金属のままでしたので、ここは黒くペイントしちゃいました。ヘリコイド部断面も同様のペイント処理をしたかったのですが、カメラ本体の距離計へとつなぐカムとの接点になっている。ここはそのカムと擦れるのでペイントは諦めました。
また距離計の2重像も垂直、水平ともに調整し直しました。

ということで、またフィルム1本入れてテストしてみようと思います。

Saturday, July 09, 2005

the passion

特別な想いのある楽曲の続きですが、4番目ともなるとかなりマニアックになってきます。

Paco de Lucia/Monti's Csardas

パコ・デ・ルシアはフラメンコというスペイン南部のジプシーによる(舞踏)音楽を世界的なものにしたというギタリストです。
これを聴いたのも15歳のときでした。先日のベートーヴェンの体験やジャズを初めて(ちゃんと)聴いたのも同時期であることを考えると、自分で言うのもなんですが(一般的にも)多感な時期だったのでしょうね。
ストレイト・アヘッドなジャズを聴き始める前には当時流行っていたクロスオーバー/フュージョンというジャズから派生しロックなどの影響も受けつつ、プレイヤーの即興演奏に多くの比重をかけるのではなく、バンド・アンサンブルにより比重を移した音楽を聴くようになっていました。とくにギタリストものでラリー・カールトンやリー・リトナーなど有名でしたし、若きパット・メセニーを初めて聴いたのもこのころです。
また野外夏フェスなども盛んになってきたころでジャズ、フュージョン系では読売ランド・イーストで行われていたライブ・アンダー・ザ・スカイというイベントが毎年盛り上がっていたころでもあります。
パコ・デ・ルシアの演奏に初めて触れたのは、1980年のライブ・アンダー・ザ・スカイの模様をオンエアしたTVとFM番組で、ギタリスト、ジョン・マクラフリン、そしてラリー・コリエルとトリオを組んだスーパー・ギター・トリオという(ダサい名称の)グループでの演奏でした(注1)。アコースティック・ギター3本による即興演奏主体のこのグループの中で、とりわけ光っていたギタリストがパコ・デ・ルシア。
その存在はブームとなり、彼の旧作LPがどんどんリリースされるようになり、またそのときの来日の際に日本で録音していった新作も直ぐ後にリリースされました(アルバム「カストロ・マリン」)。
今回のお題目にある楽曲モンティのチャールダッシュは、彼の旧作をFMで特集していたのを聴き、その情熱溢れる演奏に身震いするほどの感動を覚え、そしてレコード店に、収録されたアルバム「霊感」を買いに走ったのです。

パコ・デ・ルシアは60年代後半にデビュー。「モデルノ」と称される新しいフラメンコ音楽を築き、いまやスペインを代表する国家的アーティストになっています。元来フラメンコはジプシーたちのカタルシスとしてスペインの中央社会からは軽視されていた芸能ですが、アカデミックなものしか演ずることのできなかったマドリッド王立歌劇場で、初めてフラメンコのステージを披露したパイオニアなのです。(後述する「ライブ」というアルバムが、そのときの実況録音盤です。)

モンティのチャールダッシュ。これ実は純粋なフラメンコの楽曲ではありません。チャールダッシュというのはハンガリーのジプシーによる舞曲スタイルです。喜歌劇(オペレッタ)に「チャールダッシュの女王」というのがあったりしますが、あのチャールダッシュです。作曲者V・モンティ(1868-1922)はイタリア人ヴァイオリニスト。このチャールダッシュを見事にバイオリンとピアノの為の楽曲に仕立て上げました。フリスカというめちゃくちゃ早いテンポのパートと、ラッソーという情緒的でゆったりとしたパートが交互に現れるメリハリのある曲です。
そのモンティのヴァイオリンをギターのために(パコ自身が)リアレンジしたものがこの曲。フリスカ・パートのもの凄いフレーズ、はずむシンコペーションのリズム。もう脳みそ溶けちゃいます!

またパコの70年代に発表されたアルバムは、たいへん素晴らしいものが多く叙情的なタイトル曲を含む「二筋の川」、そして前述の王立歌劇場での「ライヴ」はお勧めです。
ところで、アマゾンへのリンクを貼っていますが在庫なしの作品が多いですね。少しでもパコ・デ・ルシアの魅力に触れたい方がいらっしゃるなら「ベスト・オブ・パコ・デ・ルシア」を挙げておきますが、これにはモンティのチャールダッシュが収録されていないのが残念ですが、彼の素晴らしさは充分に伝わる選曲だと思います。

このフラメンコ音楽に触れたことで、僕の民俗音楽への興味は広がりました。いまインドネシアのガムラン音楽に癒しを感じたり、可愛らしいビルマの民謡に涙したり、音楽だけでなくアラブのベリーダンスや、中国の京劇に魅せられるのも、もとを糺せば、このパコ・デ・ルシアとの出会いがあったからこそだと思います。
1981年、ライブ・アンダー・ザ・スカイ出演の翌年、パコ・デ・ルシアは自らのグループを率いて再来日を果たします。暑い夏の晩、超満員となったライブハウス、六本木ピットインで聴いた生の演奏、本物のフラメンコ音楽は生涯忘れることのない音楽体験であります。

(注1)スーパー・ギター・トリオの名称で有名なアルバム「フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ/スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!」はパコ・デ・ルシア、マクラフリン、そしてアル・ディ・メオラというメンバーですが、このライブ・アンダー・ザ・スカイのときディ・メオラは来日せず、代わりにラリー・コリエルが弾いていたのです。
因みにこのフライデイナイト...もメチャクチャ素晴らしい内容。ギター好きな人にはオススメです。

Thursday, July 07, 2005

O friends, no more these sounds!

日が空いてしまいましたが、特別な想いのある楽曲シリーズの3番目です。

L.V.Beethoven/Symphony No.9
ベートーヴェン、ニ短調交響曲第9番。いわゆる「ダイク」「合唱(付き)」というやつです。
クラシック音楽なんて、学校の音楽の授業で聴く、退屈極まりないものでした。しかし14、5歳のころカール・ベーム指揮のこの第9交響曲を聴き衝撃を受けました。もちろん年末になるとやたらに聴く機会が多くなるこの曲。有名な「歓喜」の旋律など知ってはいたものの、全楽章を通じて集中して聴いた最初の機会でした。

ベートーヴェンの絶頂はハ短調第5交響曲(俗名、運命)だと思います。いかにシンプルなモティーフの重層的な運用からテーマを繰り出し、それを理路整然と展開していくのか。交響曲という造形芸術の最高峰に到達した曲です。以降、聴覚をどんどん失いながらも作曲を続けたベートーヴェンは、音楽の音のみによる表現から、その幅を広げ、音から人の経験、記憶を基にイメージを広げさせる標題音楽への試みを始めとして、造形性の追及から精神性の追求へと深く深く潜行していきます。
第9交響曲は彼の最後の交響曲であり、その精神性の追求が最高度に達した曲だと思います。これ以上にないくらいに単純化されたモティーフから発する第一楽章第一主題のもつ圧倒的なエネルギー量。音楽がこんなにも楽しく弾む第2楽章スケルツォ。次代を呼び出すほどのロマンティックな第3楽章アダージョ。などなど素晴らしい魅力に富むこの交響曲ですが、なんといっても当時心を奪われたのは第4楽章での合唱との融合でした。
特に終盤(今となっては、それが2重フーガという手法で書かれたものだと解るのですが)オーケストラと合唱が生成する「綾」のような複雑なラインの交識。そこから湧き上がるパワーに圧倒され、クラシック音楽は決して退屈なものではないと開眼したのでした。
以降、このような交響曲と合唱が組み合わさった楽曲を探し、マーラーに出会い(最初に聴いたマーラーは第2交響曲でした。確かに合唱が導入されているのですが、全編を通じての深い鬱感から、かなり面くらいました。)、そしてクラシック音楽の深みにハマってしまったのです。
話しを第9交響曲に戻しますが、この曲はLPレコードで2種(ベーム指揮/ウィーンフィルフルトヴェングラー指揮の超有名盤)、CDで3種(バーンスタイン指揮/ウィーンフィルクルト・マズア指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、シノーポリ指揮/ドレスデン国立歌劇場管=アマゾン・リンク無し)と買い漁ってます。
最初に聴くならばバーンスタイン盤をお勧めします。これはベートーヴェン交響曲全集をウィーンフィルと録音したうちの盤ですが、ウィーンフィルがすごくいい。そして独唱陣がほんと素晴らしいです。とくにバス担当のクルト・モルの深い声には痺れます。個人的にはマズア指揮のゲヴァントハウス管の渋い音色が大好き。シノーポリ盤は(1996年の収録だが)録音が最低なのでやめましょう。

1824年に完成したこの第9交響曲、同年5月7日にベートーヴェン自らの指揮で初演されます。演奏後観客の大喝采。初演は大成功を収めました。しかしベートーヴェンは自分に向けられたその喝采に背を向けたままでした。彼の聴力はそこまで衰えていたのです(指揮を振れるのが不思議)。見かねたソプラノ独唱者が、彼に近寄りそっと振り返るよう促しました。
ベートーヴェンはその3年後「諸君、喝采を。喜劇は終った」という言葉を残して息を引取ります。

Monday, July 04, 2005

at teatime

仕事の目処がやっとつきました。明日あたりから滞っていた「思い入れのある曲紹介」を復活できそうです(もう当初のスピーディーな広がりは、ここでは意味を失い、完全僕のペースになってしまいました)。
今日はCanonポピュレールで撮った最初のネガから1枚引っ張り出してきました。


June 18th, 05. @Musashi-Kosugi, Kawasaki-city.
camera: Canon Poupulaire, 50mm F1.4
Film: Ilford HP5+ @EI200. Dev in X-TOL(1+1), 6min @24C.

Friday, July 01, 2005

What is this?

四半期決算でてんてこ舞いだったり、出張だったり(明日も出張。週2回は疲れるなぁ)、懇意にしていただいている方のお宅にて不幸があったりで、忙しいです。特別な想いのある楽曲の3番目の記事をUPできずにいるのですが、下にあるようなことはしっかりやっております?

 おやおや、これはなんだろう?

 ちょっと近くで見てみよう。...よくわからないなぁ。

 むむむ。これは...

(images: by mobile phone camera FOMA SH900i)

Archives

(previous archive links)  2004/04   2004/05   2004/06   2004/07   2004/08   2004/09   2004/10  
(blogger archive links)  2004/10   2004/11   2004/12   2005/01   2005/02   2005/03   2005/04   2005/05   2005/06   2005/07   2005/08   2005/09   2005/10   2005/11   2005/12   2006/01   2006/02   2006/03   2006/04   2006/05   2006/06   2006/07   2006/08   2006/09   2006/10  

This page is powered by Blogger 

Site Feeds --> ATOM  /   RSS2.0 (is generated by 2RSS.com)

Sound Of Silence_Home