Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Monday, March 27, 2006

a dreamlike unmelted snow pattern, vol.1



第2回グループプリントエクスチェンジ参加作品

タイトル「夢幻残雪模様」

カメラ:Nikon new FM-2. Nikkor 50mm F1.4
フィルム:Fuji Neopan100ACROS, EI50
現像:ILFORD PERCEPTOL(1:3希釈)最小攪拌、24度C、10分

紙:FORTE POLYWARMTONE(FB、多階調、グロッシー)
集散光式引伸機、プレフラッシュ + スプリットグレードプリント
現像:AGFA105(原液、2分)+ D-72(1:1希釈、2分)2浴現像


今冬の首都圏、積もるほどの雪は1度しか降りませんでした。多くの被害を伴った豪雪地の方々が羨むような冬でありました。そのただ一度積った雪が日ごと溶けてゆく様を見ながら、東京の残雪って汚ねえなぁ、と感じたのが今回の写真を撮った動機です。車道や人がよく行き来するところは、それこそあっという間に雪の痕跡などなくなってしまいます。ところが路地裏や建物と建物の間、歩道の隅などには溶けきらない雪が残り、場所によっては車の排ガスなどで表面は黒ずみ、またある場所は踏みつけられ、そして夜間の冷え込みで氷化している。これは地域性と造形性を併せ持つ写真の被写体として成立するなと思いました。
撮影は会社近所の遊歩道。人が歩くところの石材のブロックとその脇の本来ならば土が見える場所の境をポイントとして選びました。踏み固められ氷化し、かつ割れ目が見える。そして踏まれていないところも元々サクサクしていたものが数日経ってガリガリになっている、また撮影時の陽の明かりで溶けているところ。それらがワンフレームに収まる場所です。遅めの昼休み、午後2時ごろ、1月の太陽はもう大きく傾き始めている時間帯です。氷化した部分の割れ目は、斜めから差し込む陽光でエッジにいい感じの影を描いていました。
フォーラムでもご指摘があったのであちらには書きましたが、カメラは45度くらい傾け三脚にセット。手前側は絞っても深度外になってしまいますが、段階露光して撮影。それを2組作成しました。ちょうどその頃、PC-TEA現像液とイルフォード・パーセプトル現像液でのテストを繰り返していたからです。
それぞれで現像したネガは、その後まず16X20の小全紙でストレート焼きしています。でっかいプルーフプリントですね。これは別のネガと合わせて、それぞれの現像液の感じを掴みたかったからです。そしてパーセプトルのほうがガリガリした感じがよくでており、この残雪には合っているなと思いました。PC-TEAのほうはもっときめ細かい感じです。
さて、この写真を作品とするためにどのようなアプローチをするか、そのでっかいプルーフを見ながら、この段になって考え始めました。そのころは、この都心の残雪はおもしろいぞと、この撮影をシリーズ化しようと決めていましたので、また雪が降らないかなぁと日々悶々としておりました。結局この冬は以降、ちらつく程度の降雪はあったけれども、積るほどの機会は一度もありませんでした。降雪の渇望はまさに夢に見るほど(笑)。そして次回の撮影イメージを思い浮かべたりする中で、夢幻という言葉が浮かんだのです。
(続く)

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