Sound Of Silence -reports from darkroom by M.Niijima-

Monday, January 30, 2006

Fuji Minicopy HRII

昨29日は日頃お世話になっているBlack and White Photography Forumのオフ会に参加してきました。いやぁ話しが尽きない! みなさん本当に写真がお好きなのだなぁ。
さて、アクロスでの現像データを掴んだばかりの僕ですが、さらにミニコピーフィルムもテストもする予定です。フジのミニコピーフィルムHRIIのことです。通常このフィルムは原稿複製などに使用され専用に調合された現像剤(フジの市販品ならコピナール)によって白黒2値に近い高コントラストネガを得られるもの。それに対し超軟調現像剤との組み合わせで通常の階調も得られ、極微粒子、先鋭度の高いネガができるそうです。僕がテストしたいのはもちろん後者。
ところでこの種のフィルムではコダックのTechnical Pan(以下TP)が有名で天体写真家、および通常の被写体を扱う写真作家にも、なくてはならないフィルムとして利用されている方も多いようです。しかしTPは既に製造販売中止になっておりますので、今からこの種のフィルムを国内で容易に使用するにはフジのミニコピーという選択になってしまいます。
35ミリフィルムからの引伸ばしですので、微粒子であることは充分大切なことなのですが、それ以上にネガの高濃度部分でもシャープネスが破綻しにくいと言われる部分に着目したいのです。(そしてそれが大伸ばしでもどれだけ有利になるのか、の確認。)
デメリットは露光指数EI値が3から6くらいと低いこと。スナップ撮影にはまったく使えない感度です。しかし僕が今後プランしている撮影対象に関しては大丈夫でしょう。
また分光感度でTPが赤に強く、青に弱い性格に比して、HRIIは青が強いようです。これがどう出るか?空はあまり撮らないと思うのですが、ポリバケツは撮ると思う(笑)ので...
そして現像液。TPを超軟調に仕上げるためにコダックはテクニドールという現像液を市販しており、フィルムそのものがディスコンになった現在でも引き続き販売が継続中ですが、おそらく最終出荷したTPフィルムの期限切れでもって現像液のほうも終了させはしないだろうか?という(あくまで想像ですけど)懸念があります。そこでPOTAという超軟調現像液を自家調合しようと考えているのですが、この現像液は保存性がないので、作業直前に溶いて、処理温度まで冷却、そして使い切るということが必要になります。
さらにTP(およびテクニドールでの使用)もそうなのですが、HRIIは現像ムラが出まくるそうで、これらの利用者は現像ムラ対策をまずは強いられるようです。これにはTPのデータシート(HTML版)、(pdf版)に攪拌方法の変更を求める指示もあるのですが、ちょっと現実的には不可能なやりかた(そんなに速く振れないって!)。そして近いやり方を行ってもムラは回避できないようです。現在のところ得ている情報で最も有力なのは現像温度を18度から16度くらいまで下げ、現像時間を延長させること。でもこれだと夏場の現像作業は不可能だなぁ。

Thursday, January 26, 2006

checking the negs

昨日現像したネガをとりあえずスキャンしてチェックしてみました。ん、なぜかちょい甘い気がするなぁ。ちゃんとプリントして確認したいです。
少し遊んでもみましたが、ほんのり温黒調もいい感じ。
アプローチはかなりおもしろいので、いくつかの残雪の表情を撮り、シリーズ化してみたくなりました。また雪降らなぁ?

Wednesday, January 25, 2006

dirty unmelted snow

土日に降った雪もだいぶ溶けてきた首都圏ですが、まだ日当たりの悪いところでは昼は踏みつけられ、夜間は凍結を繰り返し、ぐちゃぐちゃになってきました。いい塩梅です。
今日は昼休みを利用して、会社近くの公園(?)遊歩道(?)で、一部凍り、一部土肌が見えている、汚らしいところを撮影してきました。ひとつの構図だけ、プラスマイナス1段分を2分の1段ごと段階露光して全5カット。それを2組撮影しておきました。アクロスの24枚撮りです。これはダークバッグ内で切り分け、PC-TEAとPERCEPTOLでそれぞれ現像するためです。こういう使い方をしているとバルクローダーが欲しくなりますね。1カートリッジに10コマもあればいいのですから。
撮影にはニコンのSLRで。もちろん三脚、ケーブルレリーズ。そしてセルフタイマーをセットし可能な限りブレを無くします。(セルフタイマーをスタートさせるとミラーがアップし、絞り羽根もセットされるので、シャッターが開閉する瞬間はシャッター幕以外のメカニカルな動作がなくなり振動を最小限に抑えることになります。)
帰宅後、早速2組とも現像。ああ、早くプリントしたくなってきましたよ。

Monday, January 23, 2006

the snow-covered garden

今日は午後から山梨県まで出張してきました。思いがけず途中で時間が余り、こんなことだったらカメラでも持ってくればよかったと後悔。
しようがないので携帯電話でキャプチュア。見事にハイライトがとびました。こんなもんでしょね。

(image: by mobile phone FOMA SH900i)

Monday, January 16, 2006

another shot of "the night view of December"

さて、昨日のレンタル暗室ではフジ・アクロスの現像データ取得のため、真っ黒やら、真っ黒ちょっと手前の濃いグレーだとか、真っ白やら、真っ白ちょっと手前の薄いグレーだとかばかりプリントしていたのですが、1枚だけちゃんと実体が写っているコマ(笑)もプリントしてみました。
正月に僕のフォトブログで掲載しました、スイスのrichyさんとのコラボ企画、
"the night view of December"シリーズの、
   参考リンク、
   Shadow that comes to the surface.
   Time not getting tired.
   When You Wish Upon A Star.
   The Tower...Can you see it?

その番外編です。



another shot of "the night view of December"

Dec '05, @Roppongi, Tokyo.
Taken with the RICOH Ricohflex Holiday, with the RICOH ANASTIGMAT 80mm F3.5 lenz.
Neopan100 Acros @EI50, Dev in A variation of Farber's "compensating" AB developer.
Paper: AGFA MCP312 (Resin Coated Multi-grade paper, Semi-mat), Dev in Dektol.


さて、プチ・カスタマイズしたFarber's "compensating" AB developer(参照URL)での画像ですが、8X10印画紙でのシャープネスには満足。さらなる大伸ばしが楽しみになってきました。
ちなみにこのプリントは、プレフラッシングをしていますが、覆い焼きや焼き込みはしていませんです。ヒットオンのオーナーにも、きれいに焼けましたねぇ、ネガを見せてくださいよ、と言われました。2浴で現像してます、と言ったところ、シュテックラーですか?と尋ねられましたので、このファーバー式について説明してきました。

NEOPAN 100 ACROS

フジの中庸感度フィルム、アクロスはなかなか扱いの難しいフィルムですね。これを使いこなそうと、現像コントラストの調整をしていたのですが、フジのデータシート内のグラフから明らかなようにたいへんリニアな特性曲線を持っていますので、ハイライト部がなかなか寝てくれないんです。で、いくつかのコントラストパターン(グレーの壁を段階露光しながら撮影したもの)を作成(現像)した後、現像時の攪拌方法を標準的な方法(僕は現像液注入後、最初の10秒間に4回の倒立攪拌、以後毎分頭の10秒間に同様の4回の攪拌をおこなっています。)から最小攪拌法(現像液注入後、最初の30秒間に12回の倒立攪拌、以後は3分ごとに10秒間4回の攪拌。)に変更して再度コントラストパターンのネガを様々な現像時間で作成しなおしました。
そして昨15日、レンタル暗室にてこのパターンをプリントし、集散光式引伸ばし機(FUJI A690)および2号フィルターで、シャドウ基準実効感度EI50、有効被写体輝度域・7EV、ダイナミックレンジ・9EVのネガを得るデータを得られました。
現像液は自家調合したPC-TEA現像液、1対50希釈。
同時に1EV軟調なダイナミックレンジ・10EVとなるデータもゲット。

さらには微粒子現像液であるILFORD PERCEPTOLの1対3希釈でも同様のデータ取り。
微粒子現像剤を1対3と希釈してしまうので感度をロスしてしまうかな? と思い、コントラストパターンは撮影感度EI25として撮ってみましたが、なんのなんの最小攪拌法のためか? しっかりシャドウ基準実効感度でEI50でていました。そしてこれもダイナミックレンジ9EVのネガを得るデータをゲットです。

今後は実写テスト。同じものを2本のロールに撮っておき、まったく新しいコンセプトの現像液PC-TEAと、微粒子現像液PERCEPTOL(1:3)と、それぞれで現像し、16X20印画紙に大きく引伸ばしプリントして、画質比較の直接対決をやってみようと考えています。結果は来月のご報告かな?(あ、16X20からだとスキャンはできないなぁ。。)

Sunday, January 15, 2006

a false photography

第1回のグループプリントエクスチェンジで使用した作品「かえれない」について。この作品はいままで僕が撮ってきた写真とは傾向が異なるものになりました。ライブ写真はもちろん、ストリートスナップというわけでもありません。まぁ、ストリートスナップの延長線上にはあるのでしょうが、街の概観や、そこに居る人々の営みを撮ったわけではありません。
実はこれ、娘を公園で遊ばせているとき、ふと目にしたものに惹かれ、そのとき抱えていたカメラで撮りました。主題は枯葉なのですが、公園の砂場(最近は動物の糞尿対策のため、子供たちが砂場で遊んだ後、親が備えてあるブルーシートをかけて帰るというルールがあります)に半分だけかけられたブルーシートの上に溜まった枯葉を見て、ああ、かえれない、と思ったのです。
枯葉は、その幹を中心に、張った枝の下周辺に落ち、風に流されたりするものの、さらに朽ちてゆき、いづれは土に還るもの。でもブルーシートという人工物質のうえに降った葉は、朽ちても決して土には還れないと思ったのです。もちろん、このブルーシート上の枯葉はそこにずうっと留まるものではなく、ほとんどが風に飛ばされるでしょう。しかし都市郊外の児童公園の一角から飛ばされた枯葉は、脇を通る狭い街路の隅に溜まり、近所の方に掃かれてしまいゴミに出されるか、粉々になった後、風雨に流され下水管へ落ちてゆくか、まあそんな程度でしょう。
だから「かえれない」。
ところでブルーシートというものは僕にとって忌むべき存在。実際は丈夫ですし、いろいろ役に立つものなのですが、それでもあの色と質感を街中で見てしまうと...


いつのころからでしょうか、生まれ育った東京という街は美しくないと思い始めたのは。公害やらゴミだとか、そういったものではなく、無節操な景観に対して拒否反応を催してしまうのです。
ところが最近、そんな無節操な街にも、ああ、いいじゃないと思えるような光景を感じることができるようになりました。それらは、街が作り出した線や面の組み合わせだったり、そこに人々が絡んだときの面白さだったり。そうしてそれらの存在が写真を撮る僕をストリート・スナップに向かわせたのでした。と言うより、写真を始めたことで、そのような視線が生まれたのでしょう。
それでも依然街が発信する色には、いいじゃない、どころか全然だめ。垢抜けない嘘っぽさや、店舗、広告看板の類には辟易としてしまいます。
例えば駅前から目に飛び込むアクリル製の赤い看板の隣に、平然と並ぶ黄色い看板...
とは言え、僕も娘と一緒にマクドナルドへ行きハッピーセットを頼んだり、マツモトキヨシで安くなったシャンプーを買ったりと、便利に利用させてもらっています。しかしそういった消費生活を営むのとは別に、それらの姿を忌む自分がいます。その自分の一側面が色という情報で街を捉える=写真を撮るという行為をも避けているのです。


「かえれない」では嫌いなブルーシートの上に積もった枯葉を撮っています。ところが白黒写真では基本的にこのシートの色は中間グレーで表わされます。またビニールの質感ですが、テカテカする部分、すなわちハイライトにあたる部分の輝度を落とし込めば、質感は殺せると考えたのです。プリント時に実際にはその部分を焼き込んだりはしませんでしたが、全体的に暗いほうへシフト、すなわちより多く露光することで、求めていた絵を得ることができました。
さて、写真という視覚情報を伝えるための媒体は、より写実的である必要があるでしょうか?
その必要がある写真もあれば、そうではない写真も存在してよいと考えています。
そもそも白黒で写実的というのは、カラー写真や動画が存在する今日においては、視覚情報を伝えるための媒体として、充分なものではないのです。
僕はいままで避けてきた色や質感を伴った素材を、あえて被写体に選び、それらを白黒写真として撮ること。都市に在る素材を利用して、ごく平凡なものでも、嘘をついて、美化する。そういう写真を撮ってゆこうと決心したのです。

そしてタイミングよく訪れた第1回グループプリントエクスチェンジの機会に、僕自身がこの方向に向かう決意として、この「かえれない」を参加作品としてグループの方々に送付させていただきました。

Wednesday, January 04, 2006

an azure plastic bucket




Oct '05, @Yanaka, Tokyo.
Taken with the canon poupulaire, with the canon L-mount 50mm f1.4 lenz.
Neopan400Prest @EI200, Dev in X-TOL(1+1), 6min @24C.
Paper: FOMATONE MG332 (Resin Coated Multi-grade paper), Dev in Dektol.

a directionality

例えば、空色のポリバケツに美を見出すようなこと。
そういう写真を撮りたい。

Sunday, January 01, 2006

Happy new year 2006.

あけましておめでとうございます。
昨年このサイトを支えてくださった多くの閲覧者の方々に感謝です。そしてこの新しい1年もどうぞよろしくお願い致します。
ところで僕は最近、次なるステップのために、ひたすら現像タンクを振りまくる日々を過ごしています。フジのアクロスを徹底的に使い込んでいこうというところ。
ところで、あるプロジェクトのために、例年より寒かった12月の夜な夜な、夜景撮影もしていました。(最近周囲でも都市夜景の写真を多く見るのですが...)僕は、クリスマス・シーズンのイルミネーションをメインにしたベタな内容となっています。そのプロジェクトでの画像は本日フォトブログacross the street soundsのほうに4枚アップしました。

実はこの夜景を現像するために、2浴現像をトライしました。夜間の撮影ではありますが、イルミネーションの光源を含む構図。シャドウを出しつつもハイライトを極力抑えるための現像方法です。2浴式というものにはいくつかの処方があり、身近な友人にも(日中撮影において)シュテックラー氏式や、(夜景において)既存微粒子現像処方のカスタマイズによるものを常用している方がいらっしゃいます。ところで、いつも周囲の方々の貴重な情報の恩恵を受けているばかりではなく、自分からも新しい有益な情報をもたらすことができたらいいなと、今回の処方を試みてみました。

A variation of Farber "compensating" AB developer

おもしろいなと思ったのは(処方は下に記しますが)第1浴目(以降A浴)はメトールとハイドロキノンを使用するMQタイプであること、そして第2浴目(以降B浴)は静止現像すること。この静止現像が"compensating"をもたらすと判断してよいでしょう。
オリジナルの処方は、

Solution A
メトール: 6 grams
無水亜硫酸ナトリウム: 50 grams
ハイドロキノン: 3 grams
臭化カリウム: 3 grams
塩化ナトリウム: 5 grams
Water to make 1 liter

Solution B
無水亜硫酸ナトリウム: 10 grams
1水塩炭酸ナトリウム: 50 grams
Water to make 1 liter

ですが、僕はB浴の1水塩炭酸ナトリウムの代替に、ホウ砂: 10gramsを使いました。より微粒子に、軟調にするための代替です。よってA variation of を追記してます。
ANALOG PHOTOGRAPHY USERS GROUP.ORGのChemical Recipesから情報を仕入れた処方なのですが、寄稿者によると「(有効被写体輝度域という意だろう)8絞りを超える輝度幅のシーンでコントラスト・バランスをとるために」とありましたが、僕のテストでも明らかに通常より軟調になっていました。しかし一番最初のテスト(は135フィルムで行いました)ではパーフォーレーションに沿って現像ムラが確認されたので、通常の攪拌をおこなうA浴にて(通常僕は最初の10秒間に4回の倒立攪拌、以後1分ごと同様の攪拌を行う)注入直後のみ30秒連続攪拌することで、どうやら現像ムラから回避できたようです。
まだまだ使いこなすところまでいってませんが、例えば夜景に限らず、日中のコントラストが極端に強いところを撮った場合などにも使えますし、手の内にしておくのは得策のようです。
まだプリントには至っていないのですが、早く"compensating"の効果をプリント上で確認してみたいです。

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