Sound Of Silence -darkroom-

レンタル暗室・実践編レポート (t040629a)
写真作品のレベルアップのため2ヶ月前に自宅での現像作業を始めましたが、これはもちろんプリントまで自分の手でおこなうことを前提とした、作品作成プロセスの改変です。
ところが現在の自宅の環境で暗室(もどき)を設営することはかなり難しいので、プリント作業はレンタル暗室を利用することにしました。このレンタル暗室ですが、都内では何件かあるようで、使用料金はどこでもほぼ一緒。とにかく安くという人は自治体の公共施設内(公民館などに併設されるかたちで)にも写真暗室を設けている場所もあるようなので、調べてみるとよいかもしれませんね(ただし引伸ばしレンズなどは持込んだほうが懸命であるといった話しもよく聞きます)。
僕はいままで(現像・プリントを)お願いしていた東京・赤坂のHit Onさんを利用することに決めていました。こちらを経営されているベテラン・プリンターH氏には随分お世話になっていますので、その信頼感もあっての選択です。


6月23日(水)仕事の休みを貰い13:00〜16:00を予約。同時に初めての作業になるのでH氏のマンツーマン指導を受けられるビギナーサポートコース(有料)をお願いしました。
10分前に到着すると暗室使用者の入れ替えのタイミングだったようで、学生さんがウヨウヨ、6〜7人がグループで使用していたようです。平日は学生料金が適応され安く使えるようです。うわ〜、こんな大群と一緒に作業するのはキツいなー。しかし僕が予約した13時からは学生二名、作家さんだろうか?落ち着いた感じの女性と部屋をシェアするようです。
先の3名はすぐに暗室に入り各々の作業へ。僕はH氏の準備を待ち(終了した学生達の精算などがあった)のんびりとネガを選ぶ。


さあ始めましょうか? コマは決まってます?
これはどうでしょう? 少しコントラストがキツいかも知れないのですが、、、最初は焼きやすそうなネガがいいのかしら?
どれどれ? おっ、これはどなたですか?
うちの家内と娘です。
これいいじゃないですか! これにしましょうよ!
ということで、家内と娘がお弁当を食べながらじゃれ合っているコマを焼くことになりました。


実際のプリントの流れはリンクさせていただいているtokyo-photo.netから、管理者のkaripeeさんがお書きになれらた「引き伸ばしプリントの基本的な流れ」を熟読していたので、あとは実践!という感じでした。(karipeeさん感謝!)


使用した引伸機はOMEGAのD5V。集散光式ヘッドの4×5フォーマットまで対応する大型機。
MGフィルター(ILFORD製を使用しました)は光源とレンズの間のポケットに入れることができ使いやすかったです。
また用意されていたルーペは、かなりしっかりとしたモノのようで、とても楽にピント合わせができました。


さて今回のビギナーサポートコースは練習用印画紙としてキャビネ10枚付きとパンフレットに書かれていましたが、僕が使ったのは8×10サイズ。しかも全部で30枚以上消費しましたので、かなり得しちゃいました!(他の人がこのコースを受けた場合も8×10を使わせてもらえるかどうか、判りませんのでアシカラズ)
紙はオリエンタルVC-RP II(多階調RC)でした。


最初のコマの露光時間を(段階露光して)決めた後、初めてなので全てのMGフィルター(00号〜5号)を使って焼いてみました。それによりコントラストがこれだけ変るんだ、そして隣り合った号数(半号)の差というものを実際に見ることができました。


次に一枚の作品を仕上げます。フィルター号数を決め、露光。
そして巨大なシンクの上に大きめのバット(えーっと、あれだったら半切りまで入るかな?)が並ぶWETセクションへ。
現像液は上記バットが2つ並んで用意されているので、二人が同時に現像を始めても別々のバットを使えます。僕は8×10だし、学生さんは11×14を使っていたので1つのバット内でもシェアできますが、そういうのが嫌な方は自身の暗室を持つか、独占で使用できるような場所を探せば良いかなと思います。
もう一人の女性はバライタ紙だったのか? 持ちこみの薬液だったのか? 僕達とは違うバットを並べていました。(それだけのスペースがあるんです。)
因みに僕達が使用していた現像液はフジのパピトールでした。


停止液はバットひとつ。定着液は2つのバットが用意されていました。
定着後の印画紙はすぐ隣の水を張ったシンクへ。そしてこのシンクは明室へとつながっており、セーフガラスを利用した仕切りを持ち上げて、明室へ送り出すことができます。
その後、すぐ画像を確認しに明室へ移動しても可、ある程度シンク内に溜めこんでからまとめて水洗を行っても良いようです。
画像の確認も、明室には平らな作業台が用意されており、ざっとスポンジで水気を吸い取り、覆い焼き、焼き込みなどの作戦を練ることもできます。
RC紙はその明室で流水洗し、機械乾燥させます。この乾燥機、印画紙を挿入口にあてるとローラーによりマシン内部に取込まれ、背面から排出されるまで、あっという間に乾燥されます。


今回僕は使っていませんが、バライタ紙の場合、水洗はお任せになり(有料)完成作品は後日受け取りにいくか、郵送してもらうかを選択します。
ところで作品のほうですが、家内と娘を撮ったものは娘の服が白色で、布地のディテールが失われていたので、その部分を焼きこんで完成。
次にライブフォトを2枚焼きました。最後に焼いたものをH氏に見ていただくと、H氏もこれを焼いてみましょうということに。基本露光時間とフィルター号数を僕と合わせて、覆い焼き、焼き込みのテクニックを見せていただきました。焼いている背後から覗いていたのですが、ふぇ〜凄い!
出来あがりは、なるほどと思わせるくらい顔の表情に活々さが増していました。次回はそれを参考に人物に対してアプローチしてみようと考えています。


結局予定の3時間を過ぎても作業を続けさせてもらえ(4時間やっていました)、このように3点仕上げることができました。印画紙のことも含めて、ずいぶんサービスしていただいちゃったなぁ。


さて、今回初めてプリント作業をおこないましたが、とても大切なことを知ることができました。 例えばライブフォトのように現在、継続的に撮っているシリーズに関しては、この日焼いたデータを踏まえ、次回の撮影と現像プロセスを少し見直さなければいけません。EIに関して、ある場所では無理をして6400まで押していたのですが、もう1段速くてもイケる場合もあるということ。これにより少しはトータル画質、特にハイライト面で有利なネガを得られるのではないかと考えています。
このように自分の作品づくりを総合的に見つめ、ステップアップを計れる可能性がプリント作業とそのデータにあることを思えば、自分でやり始めて良かったなとあらためて感じております。<完>

yukki@kichijoji-strings   NEWSEAGULL VC-RP II

Hit Onさんの所有機材や暗室利用、ラボ業務の詳細についてはこちらをご確認ください。
RENTAL LAB.
creative monochrome lab. & color lab.
HIT ON
(uploaded on June 29th, 04.)



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